
【ジョギングの効果とは?】正しいジョギングのやり方

目次
ジョギングがもたらす体への好影響
ジョギングは、健康維持や体力向上、気分転換などを目的とした比較的軽い負荷で行う有酸素運動です。全身運動であり、継続することで体脂肪の減少、心肺機能の向上、生活習慣病のリスク低減、精神的なリフレッシュ効果、睡眠の質の向上などさまざまなメリットが期待できます。
①体脂肪の減少
ジョギングは、酸素を使いながら筋肉を動かし、脂肪を燃焼させる有酸素運動に分類されます。継続することで効率的に体脂肪を燃焼し、体重管理やダイエット効果が期待できます。有酸素運動は、運動開始直後から脂肪が燃焼されますが、一般的に20分程度継続すると脂肪燃焼効果が高まると言われています。また、まとめて運動する時間を確保できない場合でも、1回10分程度の短い運動を複数回行っても同様の効果が得られるとされています。 ジョギングによる筋肉量の増加も基礎代謝の向上につながり、痩せやすい体質への改善を促します。
②心肺機能の向上
ジョギングを習慣にすると、心肺機能の強化に繋がります。これは、体内に酸素を取り込む能力が向上し、心臓が一度に送り出す血液量が増えるためです。心肺機能の向上は、全身の持久力を高め、疲れにくい体を作るだけでなく、安静時の心拍数を低く保つことにも繋がり、心臓への負担を軽減します。
③生活習慣病のリスクを減らす
ジョギングは、運動不足の解消と体内環境の改善を通じて、糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病の予防に役立ちます。特に内臓脂肪の燃焼を促進し、血糖値やコレステロール値の改善にも効果が期待できます。定期的な運動は、血流を良くし、代謝をアップさせるため、冷え性や肩こりの解消にも繋がります。
④精神的なリフレッシュ効果
ジョギングは、精神的なストレス解消やリフレッシュにも効果的です。運動によって血流が良くなると脳が活性化され、気分を安定させるセロトニンや快感をもたらすエンドルフィンといった脳内ホルモンの分泌が促進されます。これにより運動後に心地よい達成感や満足感が得られ、精神的な疲労感がの軽減が期待できます。
⑤睡眠の質の向上
ジョギングは、体に適度な疲労を与えることで、睡眠の質の向上に繋がります。むくみの軽減にも間接的に作用する可能性があります。運動による血行促進は、体内の余分な水分や老廃物の排出を助け、むくみにくい体作りに貢献します。質の良い睡眠は、日中の活動を活発にし、健康的な生活を送るための基盤となります。
ランニングとウォーキング、ジョギングの違い
ランニング、ウォーキング、ジョギングは、いずれも健康維持に役立つ有酸素運動ですが、それぞれの「違い」は運動強度と目的にあります。ジョギングは、比較的負荷の低い運動で、健康増進や運動不足解消に適しています。一方、ランニングは、より高い運動強度を伴い、競技志向や記録更新を目指すアスリート向けです。ウォーキングは、最も運動強度が低く、手軽に始められるのが特徴です。それぞれの運動が持つ特性を理解し、自身の目的や体力レベルに合った運動を選択することが、効果的かつ安全に継続するための鍵となります。
ランニングと比較した体への負担
ジョギングは、ランニングに比べて体への負担が少ない運動です。ランニングは、運動強度が高く、瞬発力や心肺機能の向上に適していますが、その分、関節や筋肉への負担が大きくなり、怪我のリスクも高まります。特に膝や腰への負担が懸念される場合があります。ジョギングは、ゆっくりとしたペースで行うため、これらの部位への衝撃が少なく、運動初心者や体力に自信のない人でも無理なく始められます。継続しやすいという利点もあり、長期的な健康維持に適していると言えるでしょう。
ウォーキングとの運動量の比較
ジョギングとウォーキングを比較すると、ジョギングの方が運動量が多く、より高いカロリー消費が期待できます。同じ時間運動した場合、ジョギングはウォーキングの約2倍のエネルギーを消費すると言われています。例えば、時速4kmで30分ウォーキングした場合の消費カロリーと時速6.4kmで15分ジョギングした場合の消費カロリーが同程度というデータもあります。ウォーキングも健康増進に効果的な有酸素運動ですが、より効率的に体脂肪を燃焼させたい場合や短時間で運動効果を高めたい場合には、ジョギングが選択肢となります。ウォーキングでは物足りなさを感じるけれど、ランニングはきついと感じる人にとって、5km程度のジョギングはちょうど良い運動強度と言えるでしょう。
正しいジョギングのやり方
ジョギングを効果的かつ安全に行うためには、正しいフォームを習得することが重要です。姿勢、足の着地方法、そして腕の振り方など、いくつかのポイントがあります。これらを意識することで、怪我のリスクを減らし、より効率的に運動効果を得ることが可能になります。
運動前後の準備運動
ジョギングを行う際には、運動前後の準備運動を欠かさないことが重要です。運動前のウォーミングアップは、筋肉や関節を温め、柔軟性を高めることで、怪我のリスクを低減します。軽いストレッチやウォーキングを数分間行うだけでも効果があります。特に、太ももやふくらはぎ、アキレス腱など、ジョギングでよく使う部位を中心に念入りに行いましょう。運動後のクールダウンは、疲労回復を促進し、筋肉痛を軽減するために不可欠です。ジョギング後に軽くウォーキングをしたり、静的ストレッチで使った筋肉をゆっくりと伸ばしたりすることで、体に疲れを溜めないように心がけることが大切です。また、運動中の水分補給も非常に重要です。ジョギング中は、汗をかくことで体内の水分が失われるため、運動前、運動中、運動後と、こまめな水分摂取を心がけ、脱水症状を防ぎましょう。
姿勢
ジョギング中の正しい姿勢は、体への負担を軽減し、効率的な走りを実現するために非常に重要です。まず、背筋をまっすぐ伸ばし、猫背にならないように意識しましょう。無理に背筋を反らせる必要はなく、自然な姿勢を保つことが大切です。目線は、数メートル先の地面を見るようにし、頭が下がりすぎないように注意します。肩の力は抜き、リラックスした状態を保ち、肘は軽く曲げて体の脇で前後に振るようにします。拳を強く握りしめず、指も楽にすることが推奨されます。やや前傾姿勢を意識すると、自然と重心が前に移動し、スムーズな動きに繋がります。体の重心の真下で足を着地させることを意識すると、より良いフォームで走ることができます。これらの点を意識することで、体幹が鍛えられ、体の傾きを防ぎ、腰への負担も軽減されます。
足の着地方法
ジョギングにおける足の着地方法は、怪我の予防と効率的な走りのために重要です。一般的に、重心の真下で着地するよう意識することが推奨されます。これにより、地面からの衝撃を最小限に抑え、膝や足首への負担を軽減できると考えられています。また、着地音が小さくなることを意識すると、足への衝撃が少ない理想的なフォームに近づくことができます。
足の着地方法には、主に以下の3つのスタイルがあります。
①ヒールストライク走法(かかと着地):かかとから着地する方法です。初心者におすすめされることが多く、筋肉への負担が比較的軽いとされています。
②ミッドフット走法(足裏全体着地):足裏全体で着地する方法です。地面からの衝撃が分散されるため、関節への負担を減らすことができるとされていますが、習得には時間がかかる場合があります。
③フォアフット走法(つま先着地):足の指の付け根(フォアフット)で着地する方法です。推進力が得られやすいという意見もありますが、足の前足部に負荷が高まる傾向があり、ふくらはぎやアキレス腱の怪我のリスクが増す可能性があります。特に筋力がない場合や、急にこの走法を取り入れると怪我につながりやすいと言われています。
運動時間と頻度の目安(例:30分)
ジョギングの効果を実感するためには、適切な運動時間と頻度を設定することが大切です。一般的に、1回あたり20分から40分のジョギングが推奨されており、最初の20分で糖質が消費され、それ以降に脂肪が燃焼しやすくなると言われています。ダイエット目的であれば、最低でも20分以上、できれば30分程度を目標にすると良いでしょう。頻度については、週に3回から5回が目安とされています。毎日ジョギングを行いたいと考える人もいるかもしれませんが、体への負担や疲労蓄積を考慮し、週に1〜2日の休息日を設けることが重要です。特に運動に慣れていない初心者の場合は、最初から無理に長時間や高頻度で走るのではなく、10分程度の短い時間から始め、徐々に時間を伸ばしていくように調整することが推奨されます。例えば、1日の中で朝夕15分ずつなど、細かく分けて運動することも効果的です。大切なのは、無理なく継続できる範囲でジョギングを習慣化することです。
消費カロリー計算
ジョギングで消費されるカロリーは、体重、運動時間、運動強度によって変わります。消費カロリーは「METs × 体重(kg)× 運動時間(h)× 1.05」という計算式で求めることができます。ジョギングの運動強度は、一般的に7.0METsとされています。例えば、体重50kgの人がジョギングを行った場合の時間の目安と消費カロリーの例は以下の通りです。
時間ごとのカロリー消費量(体重50kgの場合)
10分 | 約61kcal |
20分 | 約121kcal |
30分 | 約184kcal |
40分 | 約243kcal |
50分 | 約304kcal |
1時間 | 約368kcal |
また、距離での消費カロリーも計算できます。簡易的な計算式は「距離(km)× 体重(kg) = カロリー(kcal)」です。例えば、体重50kgの人が7kmジョギングした場合、消費カロリーは約350kcalになります。体重70kgの人が7kmジョギングした場合の消費カロリーは約490kcalです。7kmのジョギングにかかる時間は、ペースにもよりますが、約21分から49分程度が目安とされています。ご自身の体重や運動ペースに合わせて、無理なくジョギングを継続しましょう。
ジョギング継続のための4つのヒント
ジョギングを長く続けるためには、工夫が必要です。体力や目標に合わせた無理のない計画を立て、モチベーションを維持する仕組みを取り入れることで、運動習慣を定着させることができます。また、体調管理や適切な準備も、安全に継続するための重要な要素となります。
①無理のない範囲で開始する
ジョギングを継続する上で最も重要なのは、最初から無理をしないことです。特に運動経験が少ない場合や、しばらく運動から遠ざかっていた場合は、体力レベルに合わせて徐々に負荷を上げていくことが大切です。例えば、最初はウォーキングとジョギングを交互に行うウォーキング・ジョギングから始めたり、短い時間(例:10分程度)からスタートし、体が慣れてきたら徐々に時間や距離を伸ばしていくようにします。毎日走ることにこだわりすぎず、週に2~3回程度の頻度から始めて、休息日をしっかり設けることも重要です。疲労が蓄積すると怪我のリスクが高まるだけでなく、モチベーションの低下にも繋がりかねません。今日は調子が悪いなと感じたら、無理せず休む勇気も必要です。楽しんで続けられるペースを見つけることが、長期的な継続に繋がります。
②運動記録の活用
ジョギングの継続には、運動記録の活用が非常に有効です。スマートフォンのアプリや手書きのノートなどで、走行距離、時間、ペース、消費カロリー、体調などを記録しましょう。記録を振り返ることで、自身の進歩を視覚的に確認でき、モチベーションの維持に繋がります。例えば、「先週より少し長く走れた」「ペースが上がった」といった小さな達成感を積み重ねることで運動への意欲を高めることができます。また、体調や疲労度と運動量の関係性を把握し、無理のないトレーニング計画を立てる上でも役立ちます。記録を通じて、自身の運動習慣を「見える化」することで、継続への意識が高まり、目標達成に向けた具体的な改善点を見出すことも可能です。
③適切な服装とシューズ選び
ジョギングを快適に継続するためには、適切な服装とシューズ選びが非常に重要です。服装は、吸汗速乾性に優れた素材を選び、季節や気温に合わせて調整できるものがおすすめです。特に屋外でのジョギングでは、防風・撥水効果のあるウェアがあると、急な天候変化にも対応できます。重ね着で体温調節ができるようにすると良いでしょう。シューズは、足への衝撃を吸収するクッション性に優れたジョギング専用のものが理想的です。サイズが合わないシューズや、ランニング用ではないシューズは、怪我や疲労の原因となる可能性があります。実際に履いてみて、足にフィットするかどうか、クッション性や安定性はどうかなどを確認し、慎重に選びましょう。専門店のスタッフに相談して、自身の足の形や走り方に合ったシューズを見つけることも有効です。適切な服装とシューズを着用することで、快適に運動でき、怪我のリスクを低減し、ジョギングをより長く楽しむことができます。
④体調不良時の対応
ジョギング中に体調に異変を感じた場合や、運動を始める前から体調が優れない場合は、無理をせずに運動を中止するか、休むことが最も重要です。例えば、胸の痛みや息苦しさ、めまい、吐き気、関節の痛みなどが現れた場合は、すぐに運動を中断し、安静にしましょう。無理をして運動を続けると、症状が悪化したり、大きな怪我につながったりする可能性があります。また、風邪気味や発熱がある場合も、運動は控えましょう。体調が回復するまで十分な休息を取り、必要であれば医療機関を受診することも検討してください。運動を再開する際は、体調と相談しながら、徐々に強度を戻していくことが大切です。自分の体の声に耳を傾け、無理なく安全にジョギングを継続しましょう。