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【お雑煮の具材】関東と関西など地域別の違いと意味、簡単人気レシピを紹介!
目次
ここでは、京都や大阪をはじめとする地域で親しまれている関西風のお雑煮と関東のお雑煮との違いや使われる具材の意味、さらには簡単な人気レシピをご紹介します。
まずはおさらい!お正月に食べるお雑煮について
お雑煮は、年神様にお供えしたお餅を年の初めに汲んだ水と新年の火で煮て食べたことに由来するとされる「新年を祝う伝統的な汁物」です。お正月に神様へお供えしたお餅をいただくことで、その力を授けてもらい、「一年の豊作」や「家内安全」を願う意味が込められています。
基本的な構成は、主役である「お餅」とだしを効かせた「汁」、そして地域や家庭ごとの特色が表れる「具材」から成り立っており、日本の正月料理の中でも特に多様性を持つ一品です。
これだけは押さえたい!お雑煮の具材に込められた縁起の良い意味
お雑煮に入れる具材には、「新年の幸せ」や「健康」を願う様々な意味が込められています。それぞれの具材の意味を知ることで、お正月のお祝いがより感慨深いものになるでしょう。縁起の良い意味を持つ具材を選ぶことで、家族の「繁栄」や「健康」を祈願する気持ちを表現します。お雑煮は、単なる料理ではなく「新年の願い」を形にした特別な一品と言えるでしょう。
鶏肉:「名をとる」縁起物!
お雑煮の具材として広く使われる鶏肉には、縁起の良い意味が込められています。「とり」という言葉が、一年の最初に物事を「取り込む」、あるいは「名をとる」といった言葉を連想させることから「商売繁盛」や「立身出世」を願う縁起物とされています。
特に関東風のお雑煮では、すまし汁との相性も良く、だしに「深いコク」と「旨味」を加えてくれるため、定番の具材として親しまれています。鶏肉は、新年の景気づけにふさわしい願いが託された食材です。
えび:「まっすぐ伸びる」願いを込めて!
えびは、その見た目から「長寿の象徴」とされる縁起の良い具材です。腰が曲がった姿がお年寄りを連想させるため、「腰が曲がるまで元気に過ごせますように」という「長寿への願い」が込められています。また、長いひげも長寿を象徴し、目が飛び出している様子から「めでたし」ともかけられます。
加熱すると鮮やかな赤色になることから、「魔除け」や「生命力」を意味する縁起物としても扱われます。豪華な見た目になるため、新年を祝うお雑煮を華やかに彩る食材としても人気があります。
里芋や大根:「円満」を願う!
里芋や大根などの野菜もお雑煮に欠かせない縁起物です。里芋は、親芋にたくさんの子芋がつくことから、「子孫繁栄の象徴」とされています。また、大根や人参を輪切りにすると丸い形になることから「物事を丸く収める」「家庭円満」といった願いが込められています。人参の赤と大根の白で、おめでたい「紅白」を表現することもできます。
他にも亀の甲羅に見立てた六角形に切ったしいたけは、長寿を願う意味を持ち、それぞれの野菜に新年の幸せを祈る気持ちが託されています。
れんこん:「見通しがきく」将来の象徴!
れんこんは、いくつも穴が開いているその特徴的な形状から「将来の見通しがきく」縁起物とされています。「先の見通しが良い一年になるように」という願いを込めて、おせち料理だけでなくお雑煮の具材としても用いられます。シャキシャキとした食感がアクセントになり、料理に変化も与えてくれます。
かまぼこ:魔除けと神聖さの象徴!
お雑煮を彩るかまぼこは、「紅白」の色合いがおめでたい食材です。半円の形が「初日の出」を連想させ、紅は「魔除け」、白は「神聖さ」を表すなど、新年を祝う席にふさわしい意味を持っています。
あなたの地域はどっち?関東風と関西風のお雑煮の大きな違い
日本のお雑煮は、地域によってそのスタイルが大きく異なり、代表的なものとして「関東風」と「関西風」が挙げられます。この二つの大きな違いは、「餅の形」と「汁の味付け」にあります。
一般的に、関東では「角餅」を使い、「醤油ベースのすまし汁」で仕立てます。一方、関西や西日本では「丸餅」を用い、「白味噌ベースのまろやかな味わい」が主流です。お雑煮の具材は地域によって多岐にわたりますが、この基本スタイルを知ることで、日本各地の食文化の違いが見えてくるでしょう。
すまし汁に角餅が主流の「関東風」
関東風のお雑煮は、醤油ベースのすまし汁に焼いた角餅を入れるのが大きな特徴です。「武家文化」の影響が色濃い関東では、のし餅を切り分けた角餅が「敵をのす」という意味合いで縁起が良いとされました。
汁は、「かつお節」や「昆布」でとっただしに、醤油や塩で味を調えた、「すっきりとした味わいのすまし仕立て」が基本です。具材には、出世を願う「鶏肉」、彩りの良い「なると」や「かまぼこ」、そして青菜として「小松菜」や「ほうれん草」、香り高い「せり」などがよく用いられます。シンプルながらも、素材の味が引き立つ「上品な味わい」が楽しめます。
白味噌に丸餅が定番の「関西風」
関西風のお雑煮は、白味噌仕立ての汁に、焼かずに茹でた丸餅を入れるのが定番です。「円満」を願う丸餅は、「公家文化」が根付く関西で好まれました。
汁は、「昆布だし」をベースに「白味噌」を溶いた、「まろやかでこってりとした味わい」が特徴です。具材には、子孫繁栄を願う「里芋」や家庭円満を意味する輪切りの「大根」や「人参」など「丸い形のもの」が多く使われます。これらの具材を一緒に煮込むことで、「野菜の甘み」と「白味噌のコク」が溶け合った「優しい味わい」になります。青みには、シャキシャキとした食感の「水菜」を添えるのが一般的です。
日本全国!特色あふれるご当地お雑煮めぐり
日本のお雑煮は「関東風」と「関西風」だけでなく、地域ごとに驚くほど多様なバリエーションが存在します。その土地で採れる産物を活かした「特色あふれるお雑煮」が数多くあり、その土地の「歴史」や「文化」を色濃く反映しています。北は北海道から南は九州まで「豪華な海産物」が入るものや「山の幸」がふんだんに使われるもの、さらには「甘い味付け」のものまで様々です。
ここでは、「日本全国の個性豊かなご当地お雑煮」をいくつか巡り、その奥深い魅力に触れていきます。
【北海道・東北】鮭やいくらが入った豪華なお雑煮
北海道や東北地方のお雑煮は、「地域の産物を活かした具材」が特徴です。
北海道では、「すまし汁に焼いた角餅」を入れ、「鮭」や「いくら」をのせた豪華なスタイルが見られます。
東北に目を向けると、岩手県宮古市周辺では、焼いた角餅を甘い「くるみだれ」につけて食べるというユニークな習慣もあります。また、宮城県の仙台雑煮は、焼きハゼでだしを取り、「ハゼの身」や「いくら」をのせるのが伝統です。青森では「くじら肉」、秋田では特産の「セリ」がふんだんに使われるなど、地域ごとの食文化が色濃く反映されています。なるとの代わりに「つと」と呼ばれる飾り麩が入ることもあります。
【中部】シンプルから具沢山まで多様なスタイルが共存
中部地方は、地域によって「お雑煮のスタイルが大きく異なる」のが特徴です。
新潟県では、「鮭」や「いくら」が入る豪華な「親子雑煮」が食べられています。愛知県では、「角餅」と「餅菜(小松菜の一種)」だけという非常にシンプルな「すまし汁」が主流です。
一方、長野県では「ブリ」などの魚を入れる地域もあります。また、静岡県の一部では、「かつお節」と「青のり」をかけて風味豊かに仕上げます。さらに、福井県では濃厚な「赤味噌仕立て」、岐阜県の一部や三重県では汁物ではなく、お餅に「きな粉」をつけて食べるというユニークな食文化も見られます。
【中国・四国】あずき汁やハマグリなど個性派がずらり
中国・四国地方には、他ではあまり見られない「個性的なお雑煮」が数多く存在します。
鳥取県や島根県の一部では、ぜんざいのような甘いあずき汁に丸餅を入れた「小豆雑煮」が食べられています。広島県では、特産の「牡蠣」を入れたお雑煮が人気です。
四国に目を向けると、香川県では白味噌仕立ての汁に「あんこ餅」を入れるという、「甘さ」と「しょっぱさ」が融合した独特の味わいが特徴です。また、島根県の出雲地方では「岩のり」をたっぷりとかけたり、沿岸部では「ハマグリ」などの貝類を入れたりするなど、地域の恵みを活かした多様なお雑煮が受け継がれています。
【九州】焼きあごだしや海の幸が豊かな味わい
九州地方のお雑煮は、「焼きあご(トビウオ)」でとった上品なだしをベースにすることが多いのが特徴です。
福岡県の博多雑煮は、この焼きあごだしに出世魚である「ブリ」や、特産野菜の「かつお菜」を入れるのが定番です。長崎県では、鶏肉や魚、野菜がたっぷり入った具沢山の「具雑煮」が有名で、彩りも豊かです。鹿児島県では、「焼きえび」でだしを取り、「干ししいたけ」や「豆もやし」などを加えます。海の幸に恵まれた九州ならではの、「魚介の旨味が凝縮された深い味わい」が楽しめます。
なお、沖縄県では元々お雑煮を食べる習慣はありませんでした。
今日から作れる!人気の具材を使った「簡単お雑煮レシピ」
お雑煮は地域や家庭の味がありますが、基本を押さえれば誰でも簡単に作ることができます。
ここでは、人気の具材を使ったおすすめのお雑煮レシピを紹介します。具材の下ごしらえや切り方、調理の手順も分かりやすく説明するので、「料理初心者の方」でも安心です。今年の正月は、「手作りのお雑煮」で新年を迎えてみてはいかがでしょうか。
【鶏肉×醤油】定番の「関東風シンプルお雑煮」
東京や千葉、神奈川、埼玉などの関東地方で親しまれている、定番のシンプルなお雑煮です。鶏肉から出る「旨味」と「醤油の香り」が食欲をそそります。
①だし汁に、一口大に切った鶏もも肉、薄切りにした大根、人参、しいたけを入れて火にかけ、野菜が柔らかくなるまで煮ます。
②醤油と塩で味を調え、下茹でした小松菜や、お好みで白菜やねぎを加えます。
③オーブントースターなどでこんがりと焼いた角餅をお椀に入れ、熱々の汁を注いだら完成です。三つ葉やゆずの皮を添えると、より一層風味が引き立ちます。
【めんつゆ活用】だし要らずで失敗しない「時短レシピ」
忙しい時や手軽にお雑煮を楽しみたい時に便利な「めんつゆを活用したレシピ」です。だしを引く手間が省けるため、調理時間を大幅に短縮できます。
①鍋に水とめんつゆを入れて火にかけ、鶏肉や豚肉、大根、人参、しいたけ、油揚げなど、好みの具材を入れて煮るだけで、基本的な味付けが完成します。
②具材に火が通ったら、焼いたお餅や下茹でした青菜を加えて、ひと煮立ちさせれば出来上がりです。
めんつゆの濃さはお好みで調整してください。味が簡単に決まるので、「料理に不慣れな方」でも失敗なく美味しく作れます。
「多種多様なお雑煮」を試してみませんか。
お雑煮は、お正月に「一年の幸せを願って食べる」日本の伝統的な食文化です。それぞれの地域に根付いた味の違いを楽しみながら、新年の食卓を彩るのも楽しいでしょう。